
「現代語譯 古事記」(武田祐吉:訳)、読了。
日本書紀は現代語訳の本で読んでいたのですが、そういえば古事記は小学生のころ子ども向けの古事記物語を読んだだけだったなぁと思い出し、青空文庫で調達。
訳者は万葉集や古事記で知られた国文学者だそうです。学者ということもあってか少々丁寧すぎる文章で生硬な感じも受けますが、読み易いことは読み易いです。分量も厚手の文庫2冊になってしまう日本書紀の現代語訳よりはるかに手頃です。やたらに羅列される神様や皇子・皇女の名前にはちょっと閉口しますが。
日本書紀が史書なら、こちらは伝承説話集という趣。素朴な雰囲気が楽しい反面、日本書紀同様、本来はそれぞれ独立して存在していた物語を、無理やり時系列化して並べてみましたといった体の不自然さもにじみ出ており、それがかえっていろいろ想像力を刺激します。