「習近平時代の中国」(佐藤賢:著 日本経済新聞出版社)、読了。
中国の元首たる国家主席は規定で5年任期・再選は連続2回までとなっており、2003年から始まった胡錦濤体制も来年で終わり、後継の国家主席には現在国家副主席の習近平が有力視されています。ということで、次代の中国はどうなっていくだろうか、という本です。
中国に留学・駐在勤務の経験を持つ著者の見るところ、中国共産党に対する国内の支持は意外と高いとのこと。いろいろ不満は少なくないものの、やはり経済発展に成功したという実績が大きいようです。やっぱり飯・金・モノだよね、決め手は。言論の自由とかじゃなくて。
イデオロギーへのこだわりより現実優先(市場経済を推進する共産党って・・・、よく考えるとほとんど漫才のネタ)、良く言えば柔軟、悪く言えば場当たり的、現在の中国共産党は、とかく批判は多かったものの、なんだかんだで50年もの長期に渡って政権政党だった以前の日本の自民党と似ていますな、意外と。政権は固守しつつも、内部の権力闘争は激しいことなんかも。
最近、中国異質論が盛んになってきているようですが、かつてその経済力の強さにより海外から日本脅威論をしきりに投げかけられていたことを憶えている世代のわたしにとって、それはどこかで見たことがある風景。ここにも類似点が。