やっと取り上げる機会が巡ってきました、という感じなんですが、The Byrds ですよ。
The Byrds の影響を受けているといわれるロックミュージシャンは多いんですが、その割には存在感が薄いかなっと。1965年のデビューから1971年までの間に10枚以上のアルバムを出していて、特に短命でも寡作でもないのですが、メンバーチェンジが激しかったせいか、バンドとしての色が今ひとつはっきりしない。しかも実は地味体質の人ばっかりだったような気がするぞ。わたしも The Byrds 、好きは好きなんですが、熱愛しているとまでは言いかねます。The Byrds の金看板・Roger McGuinn の12弦ギターにしても、かっちぇーとかあんまり思っていないし。そんなんだから、忘れてしまっていたという・・・。
さりげなく散々な言われようですが、好きなんですよ、ホントに。だって、The Beatles だって全作揃えてないのに、The Byrds は "Mr. Tambourine Man" から "Farther Along" まで全部CD持ってるし。フォークを基盤にしたロックということで、わたしにとってはとても親しみやすい音楽です。親しみやすいが忘れやすいという。ほら、いるじゃないですか、いい人なんだけど、印象が薄いっていう・・・、って何の話だ。
そんな The Byrds ですが、彼らの作品の中からアルバム単位での出来という点で評価するならこれかな、というのが1968年の "The Notorious Byrd Brothers" です。
デビュー当時からの持ち味であるフォークロックと3作目あたりから目立ってきたサイケ色が、ここへきて自然な融合を果たし洗練されたという仕上がりです。
当時としてはかなり先進的な試みもされたようですが、そんなことより時代が変わっても耳に残るメロディやコーラスの美しさにこそ、この作品の価値があるように思われます。
それにしても同時期の英国ロックバンド勢と比較すると妙に歌声の行儀がいいのは、メンバーが皆フォーク/カントリー出身の人だったからでしょうか。