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開店休業の記

今日の本

 「ネット大国中国」(遠藤誉:著 岩波書店)、読了。


 CNN の記事によりますと、ネットユーザー数世界最大は中国で4億8500万人だそうです。ひょえ。これでもまだ中国の人口の3分の1程度ですけど、わたしは中国の人たちがみんな人民服を着ていた頃を憶えている世代ですので、まさに隔世の感があります。

 文字通り「ネット大国」となった中国のインターネット空間は今どんな状況にあるのか、そしてそれがどこに向かおうとしているのか、という本です。

 すでにネットユーザーの動向は中国政府にとっても看過できないものになっており、中国の将来を左右する勢力となりつつあると述べながらも、かつてと比較すればはるかに豊かになった現状では、ネット利用がいくら盛んになっていてもチュニジアやエジプトで起きたようなネットの力を背景にした民主革命の可能性は低いと著者は判断しています。ううむ、たしかに「失うものはもはやない」立場なら動乱を望むかもしれませんが、「それなりに生活に余裕がある」立場になればねぇ・・・。わたしも「民主体制・言論の自由」と「金とモノと娯楽」、どっちが大事かと問われて、前者を取る自信はあんまり・・・。

 また、中国のネットユーザーの約6割が30歳以下の世代であるという指摘は、中国のネット言論を考える上で重要でしょう。

 ノーベル平和賞を受賞した劉暁波の起草した「零八憲章」がなぜかすぐにネット上から削除されず十二日間放置されていたのは、その内容が政治的に取り扱いが難しいものであったため、どの部局も責任を回避して上に判断を委ねることを繰り返し、挙句に最高指導部のところまでいってしまったのでその処分が遅れた、という説には何やら笑ってしまいました。