
「肥満と飢餓」(ラジ・パテル:著 佐久間智子:訳 作品社)、読了。
世界に不幸を引き起こしている現代の食料供給のシステムの構造的な欠陥を追求した本。
食料があっても貧しくて買えない。
途上国の零細農家は世界規模の自由市場で競争して、果たして生き残ることができるものなのか。
健康的な食品が手に入らずファーストフードに頼らざるえないために、増える貧困層の肥満。
肥料生産・長距離輸送のために大量に消費されるエネルギー。
論点は広範囲にわたります。著者の意見がどこまで妥当なものかは判断できませんが、彼が提起した問題点は十分検討に値するように思われます。
最近、TPP(「環太平洋戦略的経済連携協定」という意味だそうです)への参加の是非が話題になりましたが、この本を読むと少なくとも諸手を上げて賛成とは言えなくなります・・・。