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開店休業の記

今日の本

大搾取!

 「大搾取!」(スティーブン・グリーンハウス:著 曽田和子:訳 文藝春秋)、読了。

 ニューヨークタイムズ紙の労働問題担当記者が見た、好況下にあってもその恩恵を受けるどころか過酷な条件の下、まさに搾り取られていくアメリカの労働者たちの姿。その報告です。

 景気はいいはずなのに上がらない賃金、福利厚生の切捨て、横行する労働関係法規の違反、安全軽視、サービス残業、偽装派遣・・・。

 告発本なので当然負の面が強調される内容になっていますが、アメリカの労働現場がどこもこんな状態だとは思いません(本書でも優良な労働環境を持つ企業が模範として紹介されています)。しかし、「これ、絶対誇張が入っているよな」と思いたくなるくらい強烈な実態が報告されています。ホントに誇張であってほしい・・・。

 わたしたちも「所詮、他人事」などと軽く受け流し、野次馬気分でいられる立場ではないようです。ここに書かれていることは程度の差はあれ、現在の日本の状況と共通する点、そして将来の日本に起こりかねない事態が多く含まれているからです。

 いわゆる「失われた10年」の頃はわたしも、沈滞する日本を活性化させるためには、多少アメリカ流の市場主義を導入することもやむえないと思っていたのですが、甘かったな・・・。