「次に来るメディアは何か」(河内孝:著 筑摩書房)、読了。
この著者の本は以前に1冊読んでいました。前に読んだのは新聞社出身で役員経験もある著者が新聞社の抱える経営上の問題点を指摘する、というものでしたが、今回にはさまざまな原因によってジリ貧に陥りつつある新聞・テレビを中心とする現在のメディア業界が今後どのように変化していくだろうか、という内容です。これもおもしろかったです。
日本とはもともとかなり事情が異なるとはいえ、アメリカではばたばたと新聞社がつぶれているそうですし、日本の新聞・テレビもインターネットに押されて広告収入が大幅に減少しているなど経営環境は厳しくなるばかり。
個人的には紙の新聞を読むのが好きなので将来無くなったりしたらいやだなぁとは思いますが、これだけメディアを取りまく環境が変化している以上、新聞・テレビら旧来の主力メディアが現状を固守し続けられるとは思えません。それは時代の流れなので、まあ当然でしょうが、わたしが今、気になっているのは今後プロフェッショナルなジャーナリストを誰が(あるいはどこが)養成していくかということです。今までのその役割のかなりの部分を担ってきたのは新聞・テレビですが、この先その余力を失った場合、代わりに誰が次の世代のジャーナリストを教育し経験を積ませ、その費用を負担するのか? そのへんについても少し触れられています。
今日の本 − 「新聞社」