
「伊勢神宮と出雲大社」(新谷尚紀:著 講談社)、読了。
民俗学と歴史学、両面から天皇との関係を踏まえて考える伊勢神宮と出雲大社の成り立ち、という内容。
どちらも古代から現在に至るまで信仰を集めてきた日本の代表的な古社であり、それぞれ古代政権の中心・畿内からは旭日と日没の象徴でもありました。古いだけにもともと成立時の文献記録も限られていてわかっていないことも数多い両神社、この本を読めばその謎もすっきり氷解、なんてわけは当然ありません。それは無理。
いろいろな角度からの観察がなされている分、ややまとまりを欠いた内容だなとは思わないではないのですが、興味深い指摘もいくつかあってけっこうおもしろかったです。