メニュー 蕭寥亭 検索

開店休業の記

今日のDVD

運動靴と赤い金魚

 今日はちょっと変わったところで、イランの映画です。「運動靴と赤い金魚」、1997年の作品。

 アリは小学生の男の子。修繕してもらった妹・ザーラの靴を、家に持ってかえる途中で失くしてしまう。ザーラの靴は他にない。しかたなく、アリは自分の靴をザーラと交代で使うことにするが・・・。

 まず、子役2人の演技が自然で、かつ愛らしい。特にお兄ちゃん役の子は、フツーにしてても今にも泣きだしそうな顔立ちで、何ともいえない親近感が・・・(笑)。

 お兄ちゃんと妹のやりとりは日本の幼い兄妹のそれと変わりなく、「あぁ、そのへんはイランも同じなのね」と、ここでも親近感。

 一方、アリがお父さんに叱られて「9歳はもう子どもじゃない」と言われる場面には、胸を衝かれました。日本で9歳は十分子ども・・・、こう言われる9歳の子はいないでしょう。厳しいなぁ・・・。

 イランといえばサッカーでは日本の手強い好敵手でありますが、この映画でも男の子の遊びとしてサッカーが盛んであることが見て取れます。女の子は(小学校から男女別学なのはイスラム圏らしい)かつての日本の女の子たちがそうだったように縄跳び・ゴム段みたいなのをしていました。

 12年前ではありますが、日本ではあまり紹介される機会のないイランの庶民の暮らしぶりや厳然としてある貧富の差がうかがえて、とても興味深いです。

 スジは、ケレン味もハッタリもなく、そして何の変哲もない、といえばまあそう。ただし、その何の変哲もなさの中に日本ではもはや作れなくなったかもしれない、そんな情景を観ることができます。

 観ていて、ちょっと暖かい感じが心地良い佳作。