これはいったい何なんでしょう? 先年亡くなったアイヌの音楽家・安東ウメ子の「ウポポ サンケ」、一般的な商業音楽とは異質なものを感じます。
比較的単調なメロディとアイヌ語の歌詞の繰り返しが、魔術的な雰囲気を醸し出しています。歌無し・アイヌ独特の楽器ムックリによる1曲は、民話の世界でカエルがピョンピョン飛び跳ねているよう(妙な感想ですが、聴いているとホントにそんなイメージが浮かんできました)。本州側の民謡とのつながりも感じられなくはないのですが、現代的なアレンジが施されていることもあって、むしろアンビエント・ミュージックを連想しました。
Wikipedia によりますと、広義のアンビエント=環境音楽とは「日常の中に埋没できる静かな音楽を示す」のだそうです。このアルバムに収録されている曲はアイヌの生活の中で歌い継がれてきたものなのでしょうから、一種の環境音楽としてとらえるのもあながちまちがいではないのかもしれません。
なお、「ウポポ」とは、アイヌの言葉で歌のことだそうです。