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開店休業の記

今日の音楽 − 35年の歳月はなんだったのか

Lookaftering

 「浮世離れ」という言葉は、この人にこそふさわしいのでしょうな。Vashti Bunyan 。

 1970年におとぎ話を音で作ったようなアルバム "Just Another Diamond Day" を出した後、音楽業界を去ってずうっと消息を絶っていた(農村暮らしをしていたらしい)のですが、発表当初はさっぱりだった "Just Another Diamond Day" がいつしか「知られざる名盤」として評価されるようになり、フォーク系若手ミュージシャンの後押しもあって2000年にCDで再発売されるとさらに人気は高まり、ついには2005年、35年ぶり(!)に2枚めのアルバムであるこの "Lookaftering" を発表、2007年には来日公演までしてしまいました。よくわかんないですけど、すごいです。

 さらにすごいのは、35年ぶりの作品だというのに "Just Another Diamond Day" の半年後に作ったんじゃないのか、ってくらいの内容になっていることです。さすがに音質は現代的に多少クリアになってはいますが、リコーダーやストリングス、オーボエ、ピアノ等をバランスよく配した安らぎの音、たおやかなメロディ、そして朝霧の中に消え入りそうな彼女の声(35年もたってりゃ、もっと老けているはずじゃ・・・)。この人、タイムカプセルかなんかで35年間どっかに凍結保存されてたんじゃないのか、実は?

 とか失礼なことを思ってしまう良作。