「見送りの後で」(樹村みのり:著 朝日新聞社)、読了。
某インターネット通販サイトの「おすすめ」に入っていたのを見て懐かしく思い、買ってみました。今年出た単行本のようですね。作者のマンガはわたしが子どものころ、何度か読んだ記憶があります。最近は作品を見かける機会がなかったのですが、活動は続けられていたようでなにより。
短編集で5編収録。いずれもごく平凡に暮らす女性の、生活の中でのふとした哀歓を描いたもの。地味といえばとても地味なお話ばかりです。
正直に言いますと、子どものころ読んだ作者のお話もわりと地味な内容が多く、より刺激的な作品に心ひかれていた当時のわたしには印象が薄かったのも確かです。しかし、今となってはけれん味ばかりたっぷりの人気マンガよりつつましく地に足が着いている感じが好ましく思えます。それだけ歳を喰った、ということなんでしょうけどね(苦笑)。
絵柄もわたしの記憶とほとんど変わっていないような気がして、なにやらホッとした心地になりました。