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開店休業の記

今日の本

新聞社

 「新聞社」(河内孝:著 新潮社)、読了。

 著者は毎日新聞で取締役も務めた元記者。副題「破綻したビジネスモデル」ということで、新聞報道についてではなく産業としての一つとしての新聞社の問題点を洗い出した報告。

 まあ、問題山積ですね、こりゃ。「新聞離れ」による発行部数の減少、広告売上の減少、高コスト体質、歪んだ販売店との関係、テレビとの「癒着」、実売をはるかに超える部数を印刷することによる資源の無駄遣い・環境破壊まであります。

 新聞社というところは仕事柄他者の情報は無遠慮に要求する割に、自分のことはロクに開示していないが、現行の再販制度維持を訴えたいなら読者・国民に質の高い情報開示を行うべきだという著者の意見はぜひ実現してほしいところ。でも業界ではほとんど無視されているんじゃないかな。ちなみに大手新聞社のサイトで検索してみましたが、本書を書評で取り上げているところは無いようでした。

 50歳を過ぎて初めて損益計算書を見る人に経営は任せられない、というくだりには大笑い。つまりそういう人が実際・・・、ということですよね?

 非常に中身の濃い本でした。OBとはいえ、長く新聞社に勤務した経験を持つ人がこのような本を書くことには相当の勇気が必要だったと思われ、その点も評価したいです。