
「国のない男」(カート・ヴォネガット:著 金原瑞人:訳 日本放送出版協会)、読了。
今年4月になくなったアメリカの作家カート・ヴォネガットが生前最後に発表した(2005年)本でエッセイ集。
「ヴォネガット、大いに語る」や「パームサンデー」の続編的内容で、いつものヴォネガットの語り口が楽しいです。以前のエッセイと重なる部分が多くみられるのはご愛嬌。量が本文160ページ足らずなのが不満。もっと読みたかった。ことに彼の新作はもう出ないのですから。
「カートはいま天国にいるよ」(ここで大爆笑せよ・本書を参照のこと)
彼に笑われるのは承知で、こんなことをお空に向かって尋ねてみたくなりました。
「そちらはいかがですか、ヴォネガットさん?」
奥さんでフォト・ジャーナリストのジル・クレメンツが撮ったカバーのヴォネガット本人の写真がいい感じです。
カート・ヴォネガット、死去