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開店休業の記

今日の本

「人民中国」の終焉

 『「人民中国」の終焉』(清水美和:著 講談社)、読了。

 急速に変貌する現代中国を、表面化してきた社会的身分格差の問題を切り口に報告したもの。

 だれもが「等しく貧しかった」頃から20年かそこらでこれだけ変わったということがまず驚きですが、まがりなりにも共産主義を掲げる政党の支配下でバブル期の日本をもっと過激にしたような現象が起きているというのは、もう言葉になりません。戸籍等によって農民が事実上差別されている(本書によれば中国の農民とは農業従事者というより社会的身分と考えるべきだそうです)現実は、農民や労働者のための革命っていったいどこの国の話だったのかと愕然としてしまいます。

 日本の「格差」などまだまだ序の口、なんて感じてしまう本です。