アイルランドのバンド Clannad の3作目のアルバム "Dulaman" です。
活動歴の長いバンドで、1976年発表のこのアルバムは初期の代表作なんだそうですが、・・・地味です。ジャケットからして地味ですけどね。寒そうだし。
80年代に入ってからシンセを多用した今風の音作りをするようになりましたが、ここでの Clannad の音楽は時々お琴みたいに聴こえるハープや素朴なフルート(多分)の響きが印象的で、「まんが日本昔ばなし」で使ってもいいんじゃないかっていう感じです。基本的にドラム無しでロック色はほとんど無く、その地味さともあいまって若干ポップ寄りに現代化されてはいるけれどあくまで本質は伝承音楽バンド、というたたずまい。曲目もゲール語の題が並んでいて、どう発音するんだか何歌ってんだかわかんねーよ状態です(英語でもよくわからんのですが)。
しかし、そんなことはどうでもいいと思えるくらい、音とメロディは美しい! あくまで地味なんですが美しい。ことに紅一点にして看板ボーカルのモイラ・ブレナンの歌声が美しい! 伸びやかでありつつ少し哀しげで、わたしは大好きです。
地味も時にはいいじゃないですか、美しいんだから。