
「フェルマーの最終定理」(サイモン・シン:著 青木薫:訳 新潮社)、読了。
著者の「暗号解読」が非常におもしろかったので、その前の作品にあたる本書を読んでみました。これもおもしろかったです。
数学史上屈指の難問とされてきたフェルマーの最終定理と、それが証明されるに至るまでの数学者たちの苦闘を描いたもの。著者はテレビ畑で仕事をしていたそうで、そのせいか一般向きとは言い難い話題を取り扱っていながら語り口が非常に平易でわかりやすく、なんだか数学がとても楽しそうなものに思えてきます。
ただし、この本を読んでもフェルマーの最終定理の証明そのものを理解できるようにはなりません。お間違えなきよう。「そのもの」についての解説はほとんどないからです。数学者でもこの証明の内容を理解できる人は限られているのだそうで、それを一般人が本一冊読んでわかるんなら、二百年も三百年も誰も苦労せんわな、ということでしょう。
著者の最新作「ビッグバン宇宙論」も読みたいな。