今日の本
『阿波人形浄瑠璃物語』(大和武生:著 徳島新聞社)、読了。
これも5月に行った徳島のお土産です。
徳島ではどこを観ようかなと地図を眺めていたら、徳島県立阿波十郎兵衛屋敷(本書にも出てきます・上の写真は屋敷の入口)という場所が目に入りました。国の重要無形文化財「阿波人形浄瑠璃」を毎日上演しているとのことで、それまで伝統芸能にはとんと興味がなかったのですが、気まぐれをおこして行ってみました。これがホントに意外にも楽しかったんですな。
そこは徳島市の吉野川沿いにあり、江戸時代の庄屋屋敷跡に資料展示室と小劇場が設置されています。まず、小劇場で阿波の人形浄瑠璃を紹介する短い映像を観た後、資料展示室(上の写真)でボランティアの方から人形などの資料の説明をしていただき、それから実際の、生の人形浄瑠璃上演へ。演目は「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」というもの。徳島では定番の演目らしいです(それも本書に言及されています)。
江戸時代、事情あって大阪で隠れ住む女性のもとに巡礼姿の女の子が訪ねてくる。女性は話をするうちにその女の子が幼いころ阿波に置いてきた自分の娘で、自分たちを探すために旅をしていると気がつくが・・・。というお話。女の子の方は女性が自分の母だと気がついておらず、「よその子がお母さんに髪を調えてもらったりしているのを見ると羨ましい」と話すところで、ちょっとホロッと・・・。トシですな(苦笑)。
とても楽しかったので、少し勉強してみようと併設されていた売店で買ったのが本書。ちなみにCD「阿波の遊行」もここで買いました。ずっと聴きながら読んでました。
本書は徳島の新聞社の連載記事をまとめたもの。浄瑠璃の起源から歴史的な展開、人形作りや現代の状況までを一般向けに解説しています。各回3〜4ページくらい、初心者にも読みやすい文章・内容で、阿波の人形浄瑠璃のことを知りたい人にお勧めできます。
正直言うと、徳島に行く前なら興味を持たなかったでしょうし、買うことなんてまずなかったはずの本ですが、実際に現地へ行き、生の上演を観た後だと俄然おもしろく感じるから不思議なものです。
以前は浄瑠璃がどういうものなのかさえ怪しく(「浄瑠璃」とは三味線を伴奏にし節をつけて物語を話す語り芸のことで、人形浄瑠璃はそこに人形芝居が加わったもの)、徳島では昔から人形浄瑠璃が盛んで今でもいくつもの人形座が活動しているなんてまったく知らなかったので、ほんとに不思議。
読んだらまた人形浄瑠璃が観たくなりました。こういうのが楽しいと思えるようになったのもトシだからでしょうが、それはむしろ年の功! どこか行けるところで上演していないかな。